2013年11月09日

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

毎日いろんなことがあって盛りだくさんなので、ブログがなかなか進まずようやく3日目の11月6日。
今日からいよいよ本格的に海編スタートです。
先ず行ったのはトゥンク・アブドゥル・ラーマン公園。
と言っても、コタキナバルの市街地からボートでわずか15分の沖合いに浮かぶ島々のことなのです。
アブドゥル・ラーマンって僕らの世代なら聞いたことがあるでしょ。マレーシアの独立の父と言われ初代首相を務めた人物の名前です。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

通常はジェッセルトン桟橋から出るボートが一般的なのだそうですが、混むかもしれないのでということで、

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

S.M.I HOLIDAYの二ベルさんが高級リゾートのステラ・ハーバーから出るボートを予約してくれていました。行く先々で二ベルさんの友達がいっぱい。いい人だから顔も広いのでしょう。
このステラ・ハーバーリゾートはかつてTTP交渉の会議が開催された高級ホテルです。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

マレーシアは我々が想像するよりもお金持ちが多い国です。ここステラ・ハーバーには高級クルーザーがいっぱい。人口50万人クラスの地方都市のイメージとは程遠い優雅さ。
アブラヤシの話はオランウータンの時にしましたとおり一大産業です。
サバ州の隣のブルネイは石油産出国で税金も医療も教育費もタダということで有名ですが、マレーシアも隣国インドネシアとともに石油産出国なので経済は豊かです。石油が出るから第二次世界大戦で日本軍の侵略を受けたこともありました。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

ボートはお金持ちそうな中国人の数組のカップルと乗り合わせました。
このような渡し舟のようなボートですが、ライフジャケットの着用が義務付けられているようです。安全に関しては日本よりも厳格なように感じます。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

あっという間に沖の島に到着。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

桟橋には観光客を乗せたボートが次々と到着してきます。
白い砂浜と青い海。
こんな環境がビジネスで忙しい街の真中から15分にあるのですから、素晴らしいですね。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

この島は公園内の島のひとつ、サピ島です。とても小さな島。
他にもガヤ島やマヌカン島があります。
ブロガーの熊山准さんはガヤ島に渡り、ガヤナ・エコ・リゾートのレポートしていますのでそちらをご覧ください。ガヤ島は原始の熱帯雨林を残す大きなネイチャー・アイランドで、トレッキングやカヤックで自然を満喫するリゾートです。

私が訪れたサピ島はどちらかというと、街に近いお手軽週末リゾートというか、海水浴場という感じです。東京首都圏なら横須賀の猿島みたいな感じでしょうか。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

しかし、美しさが全然違います。
南洋の島そのもの。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

完璧にリゾート気分満喫できるビーチです。
サンゴ礁の海底を覗くシュノーケリングや白砂のビーチで寝そべる人たちがいっぱいいました。

ビーチから島の中のほうに入っていくと

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

テーブルが並んでいて、木陰でゆっくり食事やお茶しながらゆっくりくつろげます。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

こんなアジアンビューティなおネエさんや

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

こんなヨーロピアンな人たちも大勢いますが、
今回のミッションはそういう方面の視察ではなく、

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

こちらなのです。
シュノーケリングをするというのではありません。
このシュノーケルの人たち、よく見ると日本とはちょっと違いますよね。
そう、ライフベスト(救命胴衣)を着用してシュノーケリングをしています。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

二ベルさんが借りてきてくれた3点セット。
日本なら、マスク(水中眼鏡)、シュノーケル、フィン(足ヒレ)ですね。
ここでは、マスク、シュノーケル、ライフベストとなるのです。
もちろん遊泳者の溺水事故防止のためです。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

なかなかしっかりしたレギュレーション(規定)があり、ライフベストを着けずにシュノーケリングをやると、ライフガード(監視員)にすぐピーと笛を吹かれて注意されてしまいます。
ここの遊泳エリアは遠浅なので潜る必要はないからライフベスト着用で問題ないのです。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

コタキナコさんのブログにはこの近辺で過去に発生したクラゲに刺され心肺停止になった子供への対応についての事例が載っています。
今回の私のミッションは、こういった海の安全対策を、特に応急救護の観点からチェックして報告とアドバイスをするというものなのです。
日常的にクラゲには刺されまくっている(涙)私ですから、世界一クラゲに刺された経験が豊富な救急法インストラクターかもしれません。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

先ずは、ビーチの安全を担う最前線基地、ライフガードタワーに行ってみました。

今回のミッションのお話をいただいた時、勉強しなくちゃいけないなと思ったことがありました。取材となればインタビューが必要です。レスキューや医学用語の英語を覚えないと困るなと思いつつ、勉強する時間がなくてここまで来てしまいました。
でも、日本語堪能な二ベルさんが私が聞きたいようなことを全部質問してくれたので私の出る幕は無し(笑)

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

用意されている薬品類は一般的なもので充分揃っていると思いました。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

こちらのStingose Sprayはイギリスのソーントン&ロス社の医薬品。
硫酸アルミニウムが主成分ですが・・・クラゲに充分な効果はあるのかな。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

その他に、伝統的なお酢(ビネガー)も用意してありました。
とはいえ、クラゲの応急処置には諸説があって判断が難しいところです。
日本でもかつて軽度の症状の場合、カツオノエボシに刺された場合はお酢やアンモニアを使っていましたが、今では使ってはいけない部類に入っています。お酢などは刺された患部を刺激して悪化させるという考えからです。
しかし、沖縄のハブクラゲに対してはお酢が効果があるとしている文献が多く難しいところです。
現状は決定的な情報がないので、その辺の判断はその土地の考え方または、患者の希望で使う薬を選択するしかないかもしれません。

また、アナフィラキシーを起こし、心肺停止の危機が迫っていると判断できる場合はエピネフリンの自己注射キットを用意し、使えるような法的な環境整備が必要かと思います。
ただし、日本の場合はクラゲに刺されて死亡した症例はごく稀なので、薬事法を改正して医師ではない監視員が使用できるようにすることは難しいのではないかと思われます。
サバ州で一般人によるエピネフリンの投与が可能ならばライフガードは用意すべきでしょう。

あとは、AEDの設置でしょうか。
まだ、サバ州ではホテルや空港などでも目に付きませんが、これの普及も急がれると思います。AEDの設置は「安全を配慮しています」という看板代わりにもなる一種の宣伝効果があります。
欧米や日本ではほとんどの公共施設やホテル・ショッピングモールなどにAEDがあるのは常識となりましたが、これが法的に置けるようになったのはわずか9年前のことです。サバ州でもその気になればすぐ普及できると思います。

また改めて報告書を書かないといけないかなあと思いますが、とりあえずはこんなことを感じました。でも、日本の海水浴場と比べきちんとしたレギュレーションがあり、安全管理のシステムはサバ州の方がずっと進んでいると思いました。

さて、お仕事はほどほどにして、島内をお散歩。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

山側に低い柵が設けられている一角があり観光客が中を見ていました。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

なになに、トカゲに餌をあげないでください・・・・ですか。

トカゲねえ・・・・

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

ぎょえ~!コモドドラゴンか!!!
だって、2mくらいあるし。

ここはインドネシアのコモド島ではありません。いるわけありません。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

これはミズオオトカゲ。飼っているわけではなく野生です。
BBQの匂いで山から下りてきてしまうので柵が設けられたのだそうです。

いかつい顔でノシノシと歩いて迫力があります。恐そうです。

が、

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

次の瞬間、ベタ~っとへたり込んでしまいました。
暑いのが苦手なのかもしれません。

そんなミズオオトカゲを柵越しに夢中で撮影していたら、

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

ギョエ~!私のすぐ後ろにでっかいのがいるじゃないですか。BBQグリルの下にも別のミズオオトカゲが歩いて、驚きました。
遠くから柵を迂回してお客さんのテーブルのところまで歩いてきちゃうんじゃあ、柵なんかしても全然ダメじゃん。

でも、この大きなトカゲは人に害を及ぼすようなことはないそうで、スタッフも全然気にしていませんでした。
こんなところが、ボルネオらしいところでしょうか。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

お昼の時間になりました。
島の入場料にこのBBQのランチ代も含まれているのだそうです。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

マレーシアの典型的なお昼ごはんだそうです。
中華とインドネシアとインド系が混ざったような感じ。
なかなか美味しかったです。

ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察

ランチを食べ終わり、早々に島を離れました。

この後、波は無いようですが、コタキナバル市内の最もポピュラーなサーフポイントのタンジュアル・ビーチのチェックに向かいました。


同じカテゴリー(ボルネオ・ミッション2013)の記事画像
お知らせ マブール島の事件について
ボルネオ・ミッション 12 SURF クダット 11月10日
ボルネオ・ミッション 11 シパダンからコタキナバルへ
ボルネオ・ミッション 10 Diving シパダン Part2
ボルネオ・ミッション 9 Diving シパダン Part1
ボルネオ・ミッション 8 タンジュアル ビーチ
同じカテゴリー(ボルネオ・ミッション2013)の記事
 お知らせ マブール島の事件について (2014-07-15 18:15)
 ボルネオ・ミッション 12 SURF クダット 11月10日 (2013-11-15 20:19)
 ボルネオ・ミッション 11 シパダンからコタキナバルへ (2013-11-14 21:56)
 ボルネオ・ミッション 10 Diving シパダン Part2 (2013-11-13 19:44)
 ボルネオ・ミッション 9 Diving シパダン Part1 (2013-11-12 21:20)
 ボルネオ・ミッション 8 タンジュアル ビーチ (2013-11-11 15:59)

Posted by エディ タチカワ at 23:59│Comments(4)ボルネオ・ミッション2013
この記事へのコメント
このトカゲ美味いらしいですよ。
以前、カリマンタン(ボルネオ島)のKuchingやShibuに仕事で
行ってたけど、現地スタッフがジャングルの中で話してました。
Posted by Marbon at 2013年11月10日 14:14
Marbonさん

いろいろな所に行ってらっしゃるのですね。
クチンもいろいろ見所のある場所と聞いていますので、行ってみたいところです。
でも、
トカゲは美味しくてもちょっと・・・・。
Posted by エディ タチカワエディ タチカワ at 2013年11月11日 05:44
エディさん、
調査ありがとう。
このブログ内容で、報告レポート十分ですよ!
Posted by ボルネオの女王 at 2013年11月11日 11:24
ボルネオの女王陛下

昨日、マヌカン島などでダイビングインストラクターをしているサトコさんの彼氏にAEDの普及について聞いてみたのですが、大きな会社は持っているものの、小さな会社(ボート)にはないようです。今、成田エクスプレスに乗りながらコメント書いていますが、1号車の入り口に国産AEDを装備していました。
結構、目立って安全性の広告効果もありますから、ぜひ、薦めてください。
Posted by エディ タチカワエディ タチカワ at 2013年11月11日 16:09
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
ボルネオ・ミッション 7 サピ島視察
    コメント(4)