2010年12月20日

しずおかの文化 体感ツアー「戦いの富士宮」 前編

18日の土曜日、この日は講座の仕事がキャンセルになったので、しずおかの文化体感ツアー第9回「戦いの富士宮」に行ってきました。
年末は講座の受講生もあまり集まらないのでキャンセルになることを想定してツアーの予約を入れておきました。

しずおかの文化 体感ツアー「戦いの富士宮」  前編

昨年の『鷹狩体感ツアー』 『天城越え体感ツアー』も素晴らしかったのでこれも絶対参加したかったのです。でも過去2回同行したやじきたコンビのぽとんさんは年末でお掃除業が大忙しで参加できず、今回は一人で参加となりました。

朝は早めに家を出ました。静岡駅南口集合だったので駅1階コンコースにあるカフェ・デンマークで朝食をとりました。

しずおかの文化 体感ツアー「戦いの富士宮」  前編

ここもお気に入りのパン屋さんで朝7時から焼きたてが食べられるのでよく使います。

さて、8時15分ツアーのバスは出発しました。
ご案内役は八木洋行先生です。

しずおかの文化 体感ツアー「戦いの富士宮」  前編

静岡の博物学の第一人者。静岡の民話を紹介するSBSラジオ『すっとんしずおか昔話』でもお馴染みです。
しずおかの荒俣宏と言って間違いないでしょう。

このツアーは静岡県文化財団で制作する『しずおかの文化』があらたに新書版として復活するのにあわせて催行されました。この新書版も編集長を八木洋行先生が務めます。

しずおかの文化 体感ツアー「戦いの富士宮」  前編

1時間ほどでバスは富士宮に到着しました。
最初の目的地は富士宮浅間大社です。

しずおかの文化 体感ツアー「戦いの富士宮」  前編

雲ひとつない快晴の富士宮。富士山が見事です。
駐車場のところにある大きな鳥居は二の鳥居だそうで、ここからツアーがスタートしました。

しずおかの文化 体感ツアー「戦いの富士宮」  前編

最初は富士宮市観光協会のボランティアガイドさんによる説明を聞きました。

しずおかの文化 体感ツアー「戦いの富士宮」  前編

先ずは参拝の手順に従って手水舎で手を清めました。

しずおかの文化 体感ツアー「戦いの富士宮」  前編

富士宮本宮浅間大社は大同元年(806年)征夷大将軍坂上田村麻呂が、山宮の地(もっと標高の高い場所にあった)から遷宮設立したもので、全国に1,300余社ある浅間神社の総本山なのだそうです。現在の本殿・拝殿・楼門などは1609年に関が原の戦いの戦勝記念として徳川家康によって寄進されました。そして合わせて富士山の八合目以上の土地を大社に寄進されたそうです。

しずおかの文化 体感ツアー「戦いの富士宮」  前編

征夷大将軍となった家康は一富士二鷹三茄子でもわかるとおり、大の富士山ファン。天下を取り日本一になったこと、初代の征夷大将軍の坂上田村麻呂の故事もあって富士宮浅間大社には相当な思い入れがあったことでしょう。

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湧玉池についても説明してくださいました。
いつ見ても美しい池ですね。
かつてここは富士登山で入山する際の禊(みそぎ)を行う場所になっていました。
室町時代からさかんに行われてきた富士登拝はまさにここ富士宮本宮浅間大社からスタートしたのです。

しずおかの文化 体感ツアー「戦いの富士宮」  前編

そして宮司さんが詳しい説明をしてくれました。

しずおかの文化 体感ツアー「戦いの富士宮」  前編

神社の造りには2種類あり、ひとつは出雲大社をはじめとした大社造り、もうひとつが浅間造りなのだそうです。
その浅間造りの中でも唯一ここの本殿だけが2階建てになっています。

しずおかの文化 体感ツアー「戦いの富士宮」  前編

2階は開け放たれた構造になっておりそこに御神体である富士山が見通せる造りにしてあるのだそうです。
しかし、実際には富士山は北東方向にずれており、神社はきっちり東西南北に建ててあるので御神体を入れてみることはできないのです。

ちなみに静岡市の浅間神社とはとても縁が深く、富士宮が本宮、静岡(駿府)は新宮と呼ぶのだそうです。
徳川家康は静岡の新宮浅間神社で元服式を行い、天下を取った関が原の戦勝記念に富士宮の本宮浅間神社に本殿などと富士山頂の土地を寄進しました。
そういう事実を鑑みると、風水などのパワーを深く研究して信じ、駿府や江戸を風水都市に作り上げたほどの家康が選んだ神社ということなので、ひょっとするとここは日本一のパワースポットと言えるかもしれません。

しずおかの文化 体感ツアー「戦いの富士宮」  前編

次にこちらの建物に案内されました。
ここで見せていただいたのが

しずおかの文化 体感ツアー「戦いの富士宮」  前編

重要文化財『絹本著色富士曼荼羅図』です。
私は以前、テレビでこの曼荼羅図を観て、一度実物を細かく見てみたかったのです。
もっともこれはレプリカで、本物は保存設備が整った県立美術館に保管されているそうです。

しずおかの文化 体感ツアー「戦いの富士宮」  前編

この曼荼羅図は室町時代の作ではないかと言われているそうです。ここに描かれた富士宮浅間大社の本殿は家康が造営した2階建て本殿ではありません。
上の写真は曼荼羅図の一番下の部分です。
右側の森は三保の松原、左の三重の塔は清見寺です。
そこから雲(距離を意味している)を挟んで右上が富士宮浅間大社と湧玉池です。
禊をしている人が見えます。

そうなのです。この曼荼羅図は室町時代の富士登山(富士登拝)の解説図とも言えますし、観光ポスターとも言えるものなのです。

しずおかの文化 体感ツアー「戦いの富士宮」  前編

これは曼荼羅図の最上部。
白装束に身を包んだ礼拝者が富士山の登山道をジグザグに登っています。
しかも手には松明を持っているのです。
富士登山の正しいスタイルは、古来より夜間に登るご来光登山なのです。
頂上におわすのは左が薬師如来、真中が阿弥陀如来、右が大日如来だそうです。
人々は雲上の極楽浄土を目指して富士山に登り、神々しいご来光を拝んだのでした。

実は、今回参加した最大の理由は来年のトゥモローカレッジ『チャレンジ・ザ・富士登山』のための勉強にあったのです。富士山に関する様々な知識を身につけたいと思ったからです。もちろん「富士山検定」を学ぶのも良いのですが、それは教科書を読めばわかること。
現地で見て・聞いて・体感すること、これこそが大事だと思いました。
教科書に載っていない富士山知識をいろいろ持っている八木洋行先生の『しずおかの文化 体感ツアー』。

まだまだ続きます。長くなったので続きはまた明日。
いよいよ戦いの歴史を旅します。


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Posted by エディ タチカワ at 21:19│Comments(0)富士登山
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