2012年03月15日
私がスポックになった訳とハワイの学生生活
1982年、私はサーフィンがもっと上手くなりたいと思い、ハワイで修行することを思いつきました。上手くなるには1年単位の長期で行かなくてはならないと思いました。
しかし、観光ビザでは半年が限度ですし、半年も遊びに行くなんて周りが許してはくれません。
そこで語学留学という大義名分を持ち出しました。学生ビザなら就学している限り長期滞在できます。本当は英語の勉強なんかしたくなくてサーフィンがしたいだけだったのですがこの大義名分のおかげで私はハワイへ行くことができました。
ハワイではハワイ大学のNICE(New Intensive Course of English)に入学しました。
ここを選んだのは授業が午後からなので午前中はサーフィンができるからです。
NICEコースは試験でレベルごとに9クラスに分けられての授業でした。最初の2ヶ月間のtermはレベル4、次のtermではレベル5。

会話が中心のクラスは楽しく、広島のヒロと東京のロイという現在まで続く親友とめぐり合えました。3人で教師にこんな授業をやってくれといった要求をするなど積極的に勉強する姿勢の、ポジティブな3人組で学ぶ楽しさも感じました。
しかし、次のtermは私だけ一人レベル8にジャンプアップ。外国語大学出身者やスチュワーデス、外資系大手企業の社員さんたちと同じクラス。サーファーなんて私だけ。
英語は元々苦手ですし、宿題は毎日山のように出るし、落第したら退学、つまり学生ビザの停止を意味しました。
英語が苦手だけに宿題は何時間やっても片付かず、大学受験の時よりも勉強させられました。人生で最もたくさん勉強したのがハワイでのこの期間かも知れません。ノイローゼになりそうでした。
実は、自分たちの周りで精神的に変になる留学生は珍しくはありませんでした。
当時、留学することは故郷の親兄弟や親戚などの期待と羨望を集めていて、途中で投げ出して帰ってくることなどとてもできないというプレッシャーがかかっていました。そのため学校にもカウンセラーが常勤していたほどです。
結局私は次のtermではクラスアップできずに限界を感じ、カウンセラーと相談の上自主退学しました。移民局に行き観光ビザに切り替え残りの半年を波乗りと別の方法での勉強に当てることにしました。実際のところ学校に行く学資ももう残っていませんでした。それどころか食事も1日2食に切り詰めて、ウエスト73cmのズボンがぶかぶかでした。
私は友人のロイの家に転がり込み居候生活となりました。

午前中の波乗りを終えると午後は時間が余ります。英語がもっと話せるように勉強しなくてはと思いますが、私はあまりおしゃべりではありません。
幸い、ロイの家には日本から持ち込んだテレビがありました。そこで、テレビドラマを観て英語を聞く力をつけようと思いました。貧乏学生だった私はテレビも持っていなかったのです。
ただ、普通のドラマを観ても、なかなか会話が理解できません。当時人気だったドラマの中では探偵レミントン・スチールやナイトライダーなどが解りやすかったのでよく観ました。
でも、最も理解しやすかったドラマがスタートレックだったのです。
何故なら、一度日本で観ているので設定や筋書きが解っていること。軍隊の会話は決まり文句が多いことなどです。
また、スタートレックは再放送なので毎日夕方放送されていましたから他のドラマより観る頻度が圧倒的に高かったのです。
スタートレックのキャラクターの中で一番好きだったのがMr.スポック。
感情を表さず、汗もかかず、冷静で論理的に、そして平和的に物事を解決するトンガリ耳の宇宙人。
感情で動く地球人と論理で行動するエイリアンの対比とその友情が興味深い面白さでした。
カーク船長の正義感が覇権主義的アメリカ臭くてちょっとだけ違和感を感じた私はスポック派になりました。

ある日、ローカルの女友人との会話中、理屈っぽい話をする私に彼女が放った一言。
「わかったわよ、Mr.スポック」
彼女が言うには、私の話し方や言葉遣いがMr.スポックにそっくりになっていたのだそうです。
確かに私はどちらかというと感情を表に出さず、論理的なものの考え方を重視します。言い換えれば「理屈っぽい」だけなのですが・・・。
不思議なことにその後、自分の中のMr.スポックはどんどんその存在が大きくなり、物事を判断しなければならない場面ではスポック的な考えで答えを出すようになっていきました。
これについてはMr.スポックを演じた俳優のレナード・ニモイも同じ事を著書に書いていました。
他人から似ていると言われると(私の場合は顔ではなく話し方や思考がですが)それを意識するようになって、よりスポック似になってしまうという循環が生まれるのだと思います。
多分、スポックは死ぬまで私の中に存在し続けるのだと思います。
しかし、観光ビザでは半年が限度ですし、半年も遊びに行くなんて周りが許してはくれません。
そこで語学留学という大義名分を持ち出しました。学生ビザなら就学している限り長期滞在できます。本当は英語の勉強なんかしたくなくてサーフィンがしたいだけだったのですがこの大義名分のおかげで私はハワイへ行くことができました。
ハワイではハワイ大学のNICE(New Intensive Course of English)に入学しました。
ここを選んだのは授業が午後からなので午前中はサーフィンができるからです。
NICEコースは試験でレベルごとに9クラスに分けられての授業でした。最初の2ヶ月間のtermはレベル4、次のtermではレベル5。

(一番前に座るヒロ、左端がロイ、一番後ろが私)
会話が中心のクラスは楽しく、広島のヒロと東京のロイという現在まで続く親友とめぐり合えました。3人で教師にこんな授業をやってくれといった要求をするなど積極的に勉強する姿勢の、ポジティブな3人組で学ぶ楽しさも感じました。
しかし、次のtermは私だけ一人レベル8にジャンプアップ。外国語大学出身者やスチュワーデス、外資系大手企業の社員さんたちと同じクラス。サーファーなんて私だけ。
英語は元々苦手ですし、宿題は毎日山のように出るし、落第したら退学、つまり学生ビザの停止を意味しました。
英語が苦手だけに宿題は何時間やっても片付かず、大学受験の時よりも勉強させられました。人生で最もたくさん勉強したのがハワイでのこの期間かも知れません。ノイローゼになりそうでした。
実は、自分たちの周りで精神的に変になる留学生は珍しくはありませんでした。
当時、留学することは故郷の親兄弟や親戚などの期待と羨望を集めていて、途中で投げ出して帰ってくることなどとてもできないというプレッシャーがかかっていました。そのため学校にもカウンセラーが常勤していたほどです。
結局私は次のtermではクラスアップできずに限界を感じ、カウンセラーと相談の上自主退学しました。移民局に行き観光ビザに切り替え残りの半年を波乗りと別の方法での勉強に当てることにしました。実際のところ学校に行く学資ももう残っていませんでした。それどころか食事も1日2食に切り詰めて、ウエスト73cmのズボンがぶかぶかでした。
私は友人のロイの家に転がり込み居候生活となりました。

午前中の波乗りを終えると午後は時間が余ります。英語がもっと話せるように勉強しなくてはと思いますが、私はあまりおしゃべりではありません。
幸い、ロイの家には日本から持ち込んだテレビがありました。そこで、テレビドラマを観て英語を聞く力をつけようと思いました。貧乏学生だった私はテレビも持っていなかったのです。
ただ、普通のドラマを観ても、なかなか会話が理解できません。当時人気だったドラマの中では探偵レミントン・スチールやナイトライダーなどが解りやすかったのでよく観ました。
でも、最も理解しやすかったドラマがスタートレックだったのです。
何故なら、一度日本で観ているので設定や筋書きが解っていること。軍隊の会話は決まり文句が多いことなどです。
また、スタートレックは再放送なので毎日夕方放送されていましたから他のドラマより観る頻度が圧倒的に高かったのです。
スタートレックのキャラクターの中で一番好きだったのがMr.スポック。
感情を表さず、汗もかかず、冷静で論理的に、そして平和的に物事を解決するトンガリ耳の宇宙人。
感情で動く地球人と論理で行動するエイリアンの対比とその友情が興味深い面白さでした。
カーク船長の正義感が覇権主義的アメリカ臭くてちょっとだけ違和感を感じた私はスポック派になりました。

ある日、ローカルの女友人との会話中、理屈っぽい話をする私に彼女が放った一言。
「わかったわよ、Mr.スポック」
彼女が言うには、私の話し方や言葉遣いがMr.スポックにそっくりになっていたのだそうです。
確かに私はどちらかというと感情を表に出さず、論理的なものの考え方を重視します。言い換えれば「理屈っぽい」だけなのですが・・・。
不思議なことにその後、自分の中のMr.スポックはどんどんその存在が大きくなり、物事を判断しなければならない場面ではスポック的な考えで答えを出すようになっていきました。
これについてはMr.スポックを演じた俳優のレナード・ニモイも同じ事を著書に書いていました。
他人から似ていると言われると(私の場合は顔ではなく話し方や思考がですが)それを意識するようになって、よりスポック似になってしまうという循環が生まれるのだと思います。
多分、スポックは死ぬまで私の中に存在し続けるのだと思います。
愛知史跡巡り 犬山城と小牧城
SURF 遠州灘 5月13日(火)
SURF 駿河湾内 5月4日(日) Golden Week
SURF 駿河湾内 4月24日(木)・25日(金) べらぼう展
SURF 下田白浜 4月17日(木)
SURF 駿河湾内 4月14日(月)
SURF 遠州灘 5月13日(火)
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SURF 駿河湾内 4月24日(木)・25日(金) べらぼう展
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SURF 駿河湾内 4月14日(月)
Posted by エディ タチカワ at 23:25│Comments(6)
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この記事へのコメント
いいじゃんいいじゃん(笑)スポックいいよねぇ。
感情に左右される地球人が理解できない!と言いながら
少しずつ理解出来るようになって時には羨ましいとさえ思うように
なるんだよね。
そのスポックの役柄をすこーしだけ受け継いだのがデータかな?
彼は機械だけどね。
いまだにスタトレ以上の宇宙ドラマは私の中には無いもんね。
ギャラクシーも観てみたけど駄目だったよ(爆)
再放送でも再々放送でも楽しめるスタートレック最高!!
感情に左右される地球人が理解できない!と言いながら
少しずつ理解出来るようになって時には羨ましいとさえ思うように
なるんだよね。
そのスポックの役柄をすこーしだけ受け継いだのがデータかな?
彼は機械だけどね。
いまだにスタトレ以上の宇宙ドラマは私の中には無いもんね。
ギャラクシーも観てみたけど駄目だったよ(爆)
再放送でも再々放送でも楽しめるスタートレック最高!!
Posted by じゃすみん
at 2012年03月16日 14:39

じゃすみんさん
そうですね。スポックいいです。
脇役という看板を掲げてますが、事実上は主役ですよね。
カーク船長は死んじゃったけどスポックは2世紀に渡り活躍してますから。
番組の内容的にはNEXT GENERATIONの方が好きなのですが、キャラクターの個性に関してはTOSの方が明確で面白いですね。
今年は映画の新作が来るみたいですよ。前作と同じキャストで(ニモイは出ないと思うけど)
どうです、地球人の船長(ちょっと太ちゃったけど)とバルカン人(ちょっとハゲちゃったけど)と酒豪のロミュラン人とで観に行くってのは。
そうですね。スポックいいです。
脇役という看板を掲げてますが、事実上は主役ですよね。
カーク船長は死んじゃったけどスポックは2世紀に渡り活躍してますから。
番組の内容的にはNEXT GENERATIONの方が好きなのですが、キャラクターの個性に関してはTOSの方が明確で面白いですね。
今年は映画の新作が来るみたいですよ。前作と同じキャストで(ニモイは出ないと思うけど)
どうです、地球人の船長(ちょっと太ちゃったけど)とバルカン人(ちょっとハゲちゃったけど)と酒豪のロミュラン人とで観に行くってのは。
Posted by エディ タチカワ at 2012年03月16日 19:11
エディさん=ペール・ギュント+スポック+?+・・・
先が楽しみ~(*^。^*)
先が楽しみ~(*^。^*)
Posted by ドキターAKI at 2012年03月16日 23:56
あはは(爆)
地球人のスタトレ軍団だね!
多少難有り?!の船長とバルカン人とロミュラン人・・・
どこでもカフェを開いちゃう、じーじと呼ばれているクリンゴン人も
仲間に入れてあげないと後で泣かれちゃうよ(爆)
地球人のスタトレ軍団だね!
多少難有り?!の船長とバルカン人とロミュラン人・・・
どこでもカフェを開いちゃう、じーじと呼ばれているクリンゴン人も
仲間に入れてあげないと後で泣かれちゃうよ(爆)
Posted by じゃすみん
at 2012年03月17日 14:47

ドキターAKIさん
ペール・ギュントとスポックは正反対のキャラクターですよね。
でも、共通点としてどちらも冒険好きなことが挙げられます。
世界中を旅したペールと宇宙の彼方を旅したスポック。
旅行社のツアーでも、日常と比べれば旅は充分に冒険と言えると思います。
旅は大変ですが、楽しいですね。
ペール・ギュントとスポックは正反対のキャラクターですよね。
でも、共通点としてどちらも冒険好きなことが挙げられます。
世界中を旅したペールと宇宙の彼方を旅したスポック。
旅行社のツアーでも、日常と比べれば旅は充分に冒険と言えると思います。
旅は大変ですが、楽しいですね。
Posted by エディ タチカワ
at 2012年03月17日 22:59

じゃすみんさん
おお、クリンゴン人とロミュラン人はどちらも最強の宿敵。
外交官スポック大使としては是非ともこの4種族一緒に観に行くことを実現したいです。
その後、レプリケーターを使っていないお寿司などで晩餐会などどうでしょう。
おお、クリンゴン人とロミュラン人はどちらも最強の宿敵。
外交官スポック大使としては是非ともこの4種族一緒に観に行くことを実現したいです。
その後、レプリケーターを使っていないお寿司などで晩餐会などどうでしょう。
Posted by エディ タチカワ
at 2012年03月17日 23:05
